どうなる「福井市一戸建て木造住宅の耐震診断申込」

能登地震の影響を受け、令和6年度(令和6年4月から)の耐震診断(補強プラン作成も含め)の補助事業は、すさまじい問い合わせと希望者の殺到により「抽選制」となった福井市ですが、昨年度まで、診断と補強プラン作成で個人負担1万円だったものが「無料」となったことが最大の原因ではないか?と感じています。

その福井市ですが、12月9日で、令和6年度の耐震診断・補強プラン作成に関する補助事業の抽選申込は子年度分としては終了しました。私どもが窓口である福井市建築指導課に所用で出向きますと、受付窓口に抽選申込の番号札があって毎回その「数字」を確認しているのですが、その数字が示す数を見て只々驚いているばかりです。

福井市での抽選結果については、PDFで番号の公開がなされています。

この資料をみますと、当選の番号の最大のものが「429」です。当選については196組の方が当選されているようですので、まだ、200を超す数のご希望者がおられるわけです。抽選でもれた方は次の抽選にもちこされる仕組みですので、いずれは当選して診断や補強プランを受けることはできますが、いつになるかはわかりません。

さて、以前から耐震関係のブログテーマでも申し上げておりますが、旧耐震基準で建築されている建物が新耐震基準をクリアするのか?という点では、ほぼ100%ありえません。耐震診断の目的は、どのように補強工事を行うかの基礎調査でしかありませんので、自分の家がどのくらいの耐震性があるのか?というレベルを知るために耐震診断するなどということは「無駄」でしかありません。

耐震性に不安を感じ、補強工事を行うことを希望しながらも、この耐震診断・補強プラン作成の補助事業を申し込んだ方で抽選にもれつづけている方からは、直接、弊社に「自己負担でかまわないので診断と補強プランを出してほしい」というお問い合わせを数多くいただいております。一方で、なかなか当選しない抽選に運よく当選した方で、調査し補強プランを作成できても、補強工事は行わないということが非常に数多くあります。補助事業は税金で賄われているわけで、それは耐震化率をアップするという目的で行われている補助事業のはずなのですが、その目的を果たしているとは思えないのが現状です。

補助金の在り方も含めて、再考する時期にあるのではないか?というのが現場に臨んでいる者としての意見です。

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