半分壊して増築する物件#8

前回の#7に続きます♪

たいぶ作業が進んだんですが、基礎の立上りの型枠も外れて、全貌が見えてきましたw

積雪荷重を単位荷重30N/㎡で、垂直積雪量1m(住宅のため雪下ろし低減あり)での、耐震等級3ですw

改正基準法運用開始に伴い、基礎部分の監理としては「出来形検査」は必要ですので、寸法などの概略確認のための画像は必須となります。

この写真をみて、「あ?ヤバくね?」って思った監督さんは優秀かもしれませんwww ホールダウンのφ16mmのアンカーの埋込長さが、一般的な仕様で言われている「360mm」を下回っています。これ、普通のZアンカーボルトを使うと、一発アウトな状況なのですが、ちょっとお高いのですが、弊社では以下のφ16mmのアンカーを使用しています。

このアンカーボルトは、埋込280mmで、生コンFc21N/mm²で、耐力36.8kNをたたき出します。施工上の問題でホールダウンの埋込が取りにくい場合や、耐力をアップさせたい場合には、すさまじく便利なアンカーです。私が知る中で、もっとも耐力が出るんじゃないでしょうか?あと「お高い」といってもベラボーに高いわけではないです。さらに、構造計算も行っていますので、埋込長さに応じた設計はできていますので、耐力あるなら問題はないです。700mmのアンカーで360mmほど頭出てますので、埋込は製品規定の280mmより埋まってます。よって、耐力はさらにデカくなってます。こういうところが完了検査で指摘を受ける可能性は少ないとは思います。そもそも審査係が知らんレベルかもなんでwww

さて、基礎の立上りってのは、木造の場合に何のためにあるか?といえば、この立上りの上に「土台」といわれる横架材がのり、それをアンカーボルトで基礎としっかりと緊結することで建物上部構造を支えるためですが、そうなると、土台がしっかりと基礎の天端に載っている必要があります。それを型枠が外れたら墨出ししに行くのですが、この墨を「天端墨」といいます。

土台の天端に実際の土台のサイズで墨を打っていくのですが、この時重要なのは、

「土台が基礎からこぼれない」

ということです。当たり前のことなんですが、人間思い込みで仕事してたりもするんで、これがあっさり間違ってる!ってことが絶対ないか?っていったら、ないわけじゃないんですw

これ、線が2本ダブって打たれてますよね?内側の墨は「まちがった墨」なんですが、この墨を打ったときに、大工さんの顔が青くなったんですw この「間違った墨」の位置ですと、基礎の外側の墨が基礎からはみ出るかはみ出ないかギリギリのところなわけですw

もちろん、土台の幅の問題もあるので、一概に間違っているとは言えないんですが、今回のこの場所の土台の幅は120mmだったので、間違った墨から120mmとるとギリなわけですw こうなると原因は、基礎の芯の取り方に間違いがあったのでは?ということになるんですが、指示は、外側に60mm、内側に90mmの指示たったので、通りの芯は、外側から60mmの位置なわけですw これをちゃんと伝達しないで、天端墨を準備した結果、大工さんが青い顔になったってわけですw

正解、土台の外面は芯から52.5mm、内側は67.5mmなので、こぼれるわけがないんですw 悪いのは伝えもれた私の責任です。大工さんが「ほっ」とした瞬間でしたw ちなみに、ネットで検索すると「土台がこぼれている」というようなワードで検索されるようですが、土台がこぼれる場合、軸力の伝達がちゃんとできないのでまずいです。特に筋交いが入る壁の箇所がずれますと、強烈な引抜力が土台に作用しますし、軸力も作用しますので、影響がデカいです。まぁ、ちょっとした間仕切り壁の基礎と土台がずれててもさほど影響はないですが、耐力壁の部分は見逃すことはできません。なんらかの対応工事が必要になります。

というわけで、この天端墨を全部打ち上がって問題なければ、建物建てる部分の6割は問題ないってくらい、実は重要だったりします。

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