完了検査を受けていない1/2超の増築案件 #2

以前ブログテーマで紹介した「完了検査を受けていない1/2超の増築案件」ですが、全体的な構造計画も終わったので、ちょっと3Dデータを公開したいと思います。

以前のブログでは、改築部分だけの構造データを公開しましたが、既存で残る部分もある程度手をいれるわけですので、部分的な構造的な改造が必要になります。元の建物をぶった切ったところを、改築する部分と構造的な干渉がないようにするわけですが、仕上げ材としての内外壁材で雨、風が入ってこない程度の造りにしておかなければなりません。

施工までにはもう少しブラッシュアップしないとダメかもですが、まぁ、一応、形にはなりました。構造的な設計評価や法適合審査は、既存残存部と改築部と各々で審査してもらう必要があるわけですが、改築部は耐震等級3としており、地震時の挙動はどうしても既存残存部が大きくなると推測されます。

言い換えれば、既存残存部が揺れによって大きく層間変形することを想定した場合、いくらエキスパンションジョイント(以下、EXP.J)としていても、材料によって改築部を通常の地震においても「押し込んでいく」動きになるわけですので、素で耐震等級3レベルで硬くしておかなければ、過剰にかかると思われる力に対応できないと考えてます。

新築で構造的に二棟を建築して、運用上繋ぐような計画の場合、構造計算によって「層間変形角」が算出されれ、さらにその変形が法規制内であることが確認できれば、法規制の最大値分の変形を見込んで離れを決めることになりますが、片方が既存、しかも築年数が40年以上経過しているとなると、計算通りの挙動はなされません。従って、改築部の構造強度をそれなりにアップさせることで対応することになります。

既存残存部の現行法による審査は、あとは、既存基礎の鉄筋のピッチ等の非破壊検査を行うことで立証することでクリアできるレベルまで来ました。また、ご覧のように住宅としてはデカい部類で200㎡を越しますので、排煙規制により既存で残る部屋に対しての措置も必要になります。さらに24時間換気への対応も必要になります。

設計自体は、構造的な問題はクリアできていますので、次は意匠的な法規制への対応となります。また、続報だしますw

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