なんのことやねん?wって思われるかもしれませんが、PCで仕事をしているとたまに出くわすのが、
「旧字体が表示されない!」
ってことです。そしてその場面というのは「名前の入力」ではないでしょうか?仕事柄、申請書などの作成でお客様のお名前をいただき、書面にしたためる際に、PCを使うことがほぼ当たり前になっている状況で、ソフトウェアの中には、「ある文字種」は、「表示されない」、「入力を受け付けない」ということがあります。実は、それはソフトウェア側の問題なのですが、これを「非unicode対応問題」と言います。
一般的なWINDOWS系に限定して言えば、一般的なソフトウェアにおいては、入力された文字データは、「unicode」といわれるコード体系で処理しますが、日本でしか運用していないソフトウェア、特に業務用ソフトで、過去のMS-DOSのシステムで動いていたものを移植してWINDOWS対応にしたものなど、歴史の長いものなどは、文字コードの処理を「シフトJIS」または「JIS」というコードで処理しているため、このコードにない文字は表示できない、入力できない、文字化けするということになります。
実は、そういった文字は特殊な文字の部類が多いわけで、特殊な記号の時が多いので、書類作成上、そういった文字を使わなければよいので、普段の仕事で大きな問題になることはないわけです。ですが、このシフトJIS及びJISコードには、現在の人名漢字で使用を認められているものが「ない」ことがあります。先日、ちょっとした問題に出くわしました。
問題の字は、これです。
IMEなどの文字入力では、一応、候補漢字としては「環境依存」で表示され選択できますが、
確定すると・・・・
こんな形で表示してくれません。この漢字、実は、お客様の「お名前」に使われている漢字なのです。漢字コードを調べますとこんな感じです。
https://kanji.jitenon.jp/
申請書などでお名前を別の漢字で当てるわけにもいきませんし、審査の際には、その他の法的な書類と付き合わされる場合、「記名違い」という指摘も受けますので、その部分を空白にして「手書き」するかにしなければなりません。あるいは、一旦、「 (スペース)」としておいて、PDFで書類を出力し、PDF編集にて編集しなおすことになるのですが、図面などのタイトルで、この文字を使う場合に、編集箇所のページ数も多くなるのでなんとか避けたいところです。
お客様のお話によると、車の免許更新などで免許証をつくる際にも、更新窓口のシステムで文字を作るところからはじまるので、かなり待たされるとのお話しでした。この「文字を作る」というのは、「外字」というものを使うことになるわけなのですが、実は、この対応をやると、外字辞書をサーバーなどで共有しているのであれば問題は少ないかもですが、ほとんどの場合、1台1台のローカルマシンに外字辞書データをコピーしないと、どのPCでも表示できないので、正直なところ「一時しのぎ」にしかなりません。
外字の作り方は以下のURLが参考になりますのでご紹介しておきますw
外字登録はシフトJISですので、文字コードの処理がJIS系のものでしか処理しないソフトでも処理できるようになりましたが、このデータを外字登録していないPCにもっていきますと表示はできないということになりあます。
外字を作ることで、とりあえずの対応はできるとは思いますが、後日、影響が出ないことを祈るばかります。
実は、このほかにも人名漢字での問題ってのは結構あります。それを紹介しているWEBがありますので、ご紹介しておきます。「辻󠄀(一点、つじ)」の漢字問題です(※WEB上でも、辻󠄀が辻で表示される場合があるようです。)。
こちらは、unicode対応のソフトでも、使用する「フォント」によって、字体が変わってしまうという問題です。
人名漢字では、このような問題が書類作成上、まだまだ隠れている問題なのですが、政府が推し進めるデジタル化という側面では、まだまだ無視されている問題ではないか?と思います。
業務で使うPCの場合、特に人名漢字などを入力するような総務系のPCでは、IMEの設定での以下の箇所は重要なのでは?と思います。まぁ、この設定にすると、フォント依存しちゃう文字も出てくるので標準的な作業では足かせになることもありますが。