暦(こよみ)と易(えき)

初詣にいっておみくじを引くっていうのを定番にしてる方も多いと思いますが、年始めにその年がどんな年になるのか?という予測みたいなものを「おみくじ」で試してみようという感じですが、「当たるも八卦当たらぬも八卦」という言葉があるように、その通りの年になる人もいればならない人もいます。当たり前のことですが、未来なんてのは確実に予測できるものではないので、ある程度の幅をもって備えることくらいしか人間にはできないわけです。

さて、暦や易については、福井県では「暦会館」というのがおおい町にあります。陰陽師安倍晴明の子孫にあたる「土御門家」が3代にわたり名田庄の地に移り住み、天文暦学の道場を開いたことから、おおい町と暦の関係は深いのです。

陰陽師ということもあって「暦」よりも「易」のほうがイメージが強いかもしれませんが、暦は易の最大公約数的な位置づけもあって、今でこそ自由に暦に関することの情報発信することができますが、暦自体の流通などは政治権力により統制を受けていたということを知っている人は意外と少ないのです(暦会館ではその部分もしっかりと解説されています)。

さて、「大安」や「仏滅」といった六曜というのを聞いたことがあると思いますが、これを「暦注(れきちゅう)」といって、その日の吉凶を示すワンポイントアドバイスみたいなものが暦に記載されるものです。今日は大安なので~とか、今日は仏滅なので~とかで、行動を行ったり取りやめたりということを意識的に行うわけです。一般的に六曜の場合、大安は吉、仏滅は凶といったイメージが強いかもしれませんが、実は、六曜一つ一つに意味があるわけです。

建築で関係するのは「大安」です。建方などは「大安」に行うというのが一般的に行われています。実際、この大安の日にレッカーや鳶さんたちを確保するのは結構、前々からお願いしておかないとダメなくら混みあいます。私どもでも、このような暦を気にすることはありますが、実は、この「六曜」を考慮するより、もっと別の暦を重視したりします。それが「二十八宿」と「十二直」といわれるものです。

イマドキですと、ネットで検索すれば暦の情報はすぐに出てきますが、やっぱし、事務所に「日めくり」がないとしまりませんので、必ず毎年かけていますが、このような日めくりには、暦注が必ず記載されています。

なぜ「二十八宿」とか「十二直」を重要視するか?といいますと、実は「天気」だったります。また、六曜よりも「種まき」とか「収穫」といった農作業的な要素が大きいのも理由です。農業関係の方ならご存じとは思いますが「農事暦(のうじれき)」というものがあり、1年の農作業でのスケジュールみたいなものがあるくらいです。

「晴れの日」という言葉がありますが、この「晴れ」というのは、おめでたい日という意味合いもありますが、実際に「晴れる日」という要素が強いと考えています。つまり、外で大規模な作業を行う場合、雨天より晴天のほうが作業効率もあがりますし、安全性も確保できます。したがって、「晴れの日」を選ぶことは作業指揮を執る者にとっては重要な日程選択なわけです。

それを統計的に集約したものが「暦」なのです。ところが昨今の気象変動により、古からの暦が通用しなくなっている部分が多数でてきました。二十八宿や十二直で問題がない、なんなら「最高の日」となっている日でも土砂降りだったりも>< 予定を立てる上で天候に留意するというのは非常に重要なことなのです。

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