ずいぶん前のちょっと強烈な台風が福井を襲ったときに、弊社のお客様の「茶室の門扉」が風で煽られて倒れてしまい、しばらく門扉のない茶室を運用されてました。やっぱり門扉がないと趣がないということで、門扉の再建のご依頼をいただいたのですが、できるだけ低コストでというご要望でしたので、エクステリアメーカーの部材を寄せて作ることにしました。

この画像は、株式会社タカショーのカタログで「庭王門・風雅門」というシリーズの施工例の画像ですが、お値段も門戸だけで、上代として40万円程度ですし、竹の目隠し(フェンス)も部材ラインナップにあるので、このシリーズから部材を寄せることを決めました。
ホントは、木造で趣を出して作るというのもありだったのですが、前回倒壊したときも、結局、シャクダニ石にホゾ穴あけて柱を差し込んで、控えをなんと鉄の棒でとっているような造りだったのと、そのような納めしかできない環境にあるというもの、そしてコストの問題もあったので、「既成部材を使う」というところに落ち着きました。

元々は、画像のシャクダニ石の基礎の上にのっかっている「だけ」の門扉でしたが、今回は2度と倒壊させないということを目論んでの工事となりました。この石の上に柱を建てるわけにはいきませんので、埋め込むことで倒壊を防ぐわけですが、シャクダニ石をよけて根入れ部分を掘り起こすと・・・・


雨水などの排水用の暗渠がでてきましたwww これにより、柱を埋め込むことは少なくとも想定していた位置ではかなり難しいことになりましたので、なにか対策を立てた上で柱を建てるしかありません。そこで、


コンクリートで捨ての土間を打設して、それにベースプレートのような鉄板を敷いて、柱を建て留め、かつ、柱に穴をあけて抵抗できるようにしました。そして、まずは、全体の形をつくってしまいます。

全体の形ができたところで、コンクリートを打設します。それを台座としたわけです(画像には格子がついてますが、コンクリート打設後に取り付けたものです)。


茶室の門扉が下端がコンクリートではおかしいので、少し土がかぶる程度にして下げてあります。そして、土を埋め戻してなじませると、


なんとなくイイ感じにw 門を取り付けると、

っぽくなりましたwww ですが、これでは終わりません!お客様からは、この竹と茅葺があまりお好みではないということで、急遽、屋根の仕上げを外して、



下地処理をして銅板葺きとしました。全体がアルミ成型で、杢目柄なので、銅板を葺いた屋根の裏側も杢目ですから、それほど風合いがないことはありません。
途中どうなることか!と不安ではありましたが、なんとか完成にこぎつけました♪