住宅ローン借入審査 その4(終)

無意識に結ばれるローン

前回のブログに続きます♪

ローンなどの契約は契約をするわけですので、知らないところでなされているわけはありません。仮にそんなことがあればたいへんなことです。ですが、「あまり意識がない」状態でローン契約を行ってしまうことは多々あります。例えば、スマホなどの携帯電話代金が通信料に上乗せされた形で請求される場合がありますが、一見するとスマホ代の分割支払いを通信料と抱き合わせで支払っているために、そこでローン契約を結んでいるという意識は乏しいかもしれません。正確には「スマホ代」は分割支払いによるクレジット契約を結んでおり、引き落としを通信料などと一緒に処理されるというだけなのです。これが、よくネットなどでいわれる携帯電話料金を滞納するとローンが組めないといわれる理由です。ところが、そうでないパターンもあります。どちらかという、今から説明する事例のほうが巷では気が付いていないだけでありがちかもしれません。

親子二世帯ローンって?

「親子二世帯ローン」というものがあります(リレーローンやペアローンとはちょっと違います)。金利も高く、ローンの長期償還期間も20年程度が当たり前だった今から30年くらい前に、償還期間を長くとることができ、毎月の支払額をある程度抑えることもできることや、本人だけでなく、子世帯において債務を引き継ぐということで、長期でかつ高額のローンを組む際によく利用された形態のローンです。今でもその設定はありますが、どこの金融機関も長期返済(30年以上)が可能であり、金利も低く抑えられている現状では、それほど利用価値はないかもしれません(親子同居も絶対条件ですし)。なお、このローンの場合、親と子はそれぞれ「連帯債務者」として契約されます。ココがポイントです。

年金振込の罠

親世帯が現役世代で働き、毎月、給与所得を得ているうちはよいのですが、退職し年金受給となってから、問題が発生する場合があります。年金はご存じのように毎月支給はされません。2か月1回、2か月分を一度に振り込まれます。これにより、金融事故が起こりえます。

給与所得がなくなった翌月、残高がない状態で住宅ローンの月払いが自動的に処理されます。このとき、残高不足によりローンは落ちません。つまり、この時点で、住宅ローンの支払い遅延が発生します。そして、次の月、年金が支給されることで2カ月分が一度に処理されることになります。つまり、住宅ローンの支払い遅延が一カ月おきに発生することになるわけです。

ローンの支払い遅延の発生メカニズム

さて、先ほど、親と子はそれぞれ「連帯債務者」だということです。連帯債務者とは、債務を連動して履行することになります。つまり、親が払えない場合、自動的に請求は子にその債務履行責任が移行するわけです。このとき、子の口座が登録してあろうがなかろうが関係ありません。子は親が債務履行できないとすぐに、なんらかの形で債務を履行しなければならず、それを放っておくとどうなるかといいますと、

「子もローン支払いが遅延した」

ということになるわけです。言いかえれば、子もローン支払いの遅延が発生しているということになるわけです。これが親子二世帯ローンで陥りがちな事故状況となるわけです。もちろん、親世帯は、子供に経済的な負担をかけないように、自分たちの年金でローン支払い続けるし、実際、続けていると思っています。見かけ上はそうでも、2か月1回確実に遅延している状況がつくられ、2か月目に確実に返済しますので、金融機関から遅延の督促はありません。ですが、その1回の遅延は、親も子も金融事故が発生している状況になり、それが年を通すと、実に1年に6回の事故が起こっていることになります。そして、それを子が全く意識していない、無意識のうちにすすむわけです。

このような状況に陥りますと、子がどんなに年収があろうとも、一般的なローンを組むことはかないません。例えば、あるとき、車を買おうと思いディーラーにいって、マイカーローンを組もうと思ったが、金融機関のマイカーローンは組めずに、ちょっと金利の高めの信販会社のマイカーローンを組むことになったということが起こりうります。このような状況があることは、信販会社が想定できる内容ですので、所定の金利さえ払うことを同意すれば、よろこんでローン契約を締結すると思われます。カード会社も同様です。このような状況でもカードはつくることができるわけです(できない場合もあります)。

ところが、金融機関では全く借入申し込みが受け付けられないことが多くなります。それは、すでにご紹介している「全国銀行協会(全銀協)」で記録にのこっているためです。

知っておくことの重要性

いかがですか? 自分が知らないところで、全く意識がないところで、自分の信用情報に傷がついているケースがあるわけです。ですが、その状態を誰も教えてはくれません。金融機関にしても遅延するとはいえ、確実に2か月に1回回収できている事実があれば、事を大きくすることはありませんので、放置します。督促は2か月を過ぎなければ出ませんので、通知をみることはまずありえません。

親子二世帯ローンでは子世代にも契約書を書かせます。その際、おそらく、「家を建てるからお前もここに名前を書いてくれ」という話しのレベルでしか聞いていないと思います。そんな契約が有効か無効かは別の問題としても、事実上、その子世代も部屋を分け与えられ、新しい家に住むことができたわけですので、ある意味、利益は得たことになります。ただ、その住宅ローンの契約形態や、責任の所在が理解できていなかったにすぎません。

親子二世帯ローンに限らず、子世代が自らの意思で、住宅の改修、建替えを行おうとして、住宅ローンの審査を行って、はじめて自分の信用情報の実態に気が付くことが多いのです。住宅建築は大きな買い物です。いろんなことに慎重になるべきですが、最初の一歩は「ご自分のこと」を知ることだと思います。

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