「非」住宅の木造化 その1

数年前より、様々な業種の企業様の業務施設等を中大規模で計画される「非」住宅を「木造」で計画することが多くなってきました。一般的に規模の大きな建築物には、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(以下、非木造)など、木造以外の構造手法を使われることが多いのですが、それには以下のような理由があります。

 ・比較的大規模な空間を柱無しで作り上げることができる。
 ・防火、耐火性能が高い。
 ・構造計画上の設計が楽。

これらの理由を否定しても「木造」で計画することが増えてきた理由は、非木造に比較して、

 ・コストが安い

これが最大の理由となっています。弊社でも非木造の業務施設の設計施工は行ってきましたが、やはり、構造レベルでのコスト高は頭が痛い問題で、施設等の建設においては、各企業様が「設備投資」として多額の費用を投下することになり、もちろん、それがそのまま企業様の収益に多大な影響があるというところが無視できません(無視というより、それを主軸に考えなければなりません)。

ですが「コストが安い」というところだけで、構造を木造として計画することが妥当か?というとそうではありません。業務施設の運用目的によっては、例えば大きな製造物を製作する場合などで吊下げ荷が大きい場合など、木造では構造耐力上不安が残る場合などは木造による計画よりも、鉄骨や鉄筋コンクリート造での計画の方が合理的な場合もあります。よって、まずは、どのような目的で施設を建築するのか?ということが重要になります。

設計計画においては、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、木造などの構造様式にこだわることなく、フレキシブルに考えることが必要になりますが、そこで何を一番優先するのか?というところが重要な検討になります。

業務施設建設においては、大規模な無柱空間を必要とする場合が多々あります。業務機械を配置したり、製造のためのラインを構築したりと、柱があることにより自由にレイアウトすることができなかったり、業務で扱う製造物などの変更でフレキシブルに対応できなかったりもします。ですが、画像事例をご参照いただければ、どのような構造様式をとったとしてもそれらは対応可能です。

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