光通信ケーブル

イマドキ、インターネットでは当たり前に高速通信ということで「光通信ケーブル」をつかってますよね?NTTさんのフレッツ光とかに代表されるようにインターネット電話も含めて光通信ケーブルを基本とした通信環境が、住宅でも非住宅でも当たり前に整備されてきています。

築であれば、外部からのケーブル導入のルートは設計上問題のない方法で、メンテナンス作業も楽なところを計画することもできますし、そのルートを「CD管」や「PD管」といった「さや管」を張り巡らし、その管の中にケーブルを通すことでケーブル自体の保護や取替えなどのメンテナンス性をアップさせたりできます。ですが、古い住宅などではそもそもそういった通信ケーブルを宅内に引き込むための設備というものがほとんど考慮されていません。TVのアンテナ線にしても、メタル回線の電話にして、壁に孔をあけてケーブルを通すレベルでしかありません。そのような古い住宅に光ケーブルを引き込むというとどのような作業になっていると思いますか?w 画像は、住宅改修をしている現場なのですが、改修工事の最中から光通信ケーブルが大変気になっていた現場でした。

実は、光通信ケーブルは、なんと、エアコンの冷媒配管を通した孔をつかって導入されています。こういった事例は当たり前になされているようでして、「通信できていれば問題ない」という考えからだと思います。グラスファイバーの線なのに、アンテナ線や電線と同じ扱いなわけです(泣)。となれば、エアコンの取替えなどで冷媒配管を引き抜いたり、また、エアコン室内機を設置したりする際に、この光通信ケーブルに確実に干渉してしまいます。もちろん、そーっと、エアコンの配管を入れたり、室内機を設置したりして、光通信ケーブルがほとんど動かないように作業すれば問題ないかもしれません。でも、そんなにうまくいくわけがないのです。

で、結果としてどうなったか?といいますと、「光通信ケーブルの不具合」を発生させてしまい、通信不能となりました。光通信ケーブルケーブルは非常に繊細で、電線やLANケーブルのように曲げたりするといとも簡単に折れてしまいますし、見た目は折れていなくとも、中のグラスファイバーの屈折率が変わっただけで通信できなくなります。以下の画像をご覧ください。入っていた光通信ケーブルを全体に渡って外観検査をしたときに発見した「傷」です。

結局、トタン張りの外壁に孔をあけてエアコンの冷媒配管を通しているので、そのトタンの切り口が光通信ケーブルにあたっていたところは、ちょっとした衝撃で潰れたり切れたりするわけです。正直、ここまでの傷を今回の工事でのエアコン取替のときにつけたとは思えないんですが、今回の改修工事でトドメを刺した可能性は高いと思われます。

光通信ケーブルが改修工事の最中に注意点としてわかっていたので、確実に作業終了時にはWiFiなどの通信機器に異常がないかを確認してから退場していましたので、幸い、発見は夕刻で早かったのですが、それでもその夜はネットが使えないという状況でお客様にご迷惑をおかけしてしまいました。もちろん、修繕を行うわけですが、これをNTTなどへ修理依頼をかけますと、相当な日数待たされます。2週間以上、下手すると1か月くらいかかるときもありますので、こちらで通信工事会社(NTT専門外注先)に依頼することになります。そして、うまく手配できて、翌朝には作業してもらえることになりました。

まずは、電柱から引き込んできている光通信ケーブルが、先の画像の破損箇所よりも上手までは問題ないかを確認します。この時点で、万が一、破損箇所より電柱側で通信レベルあがらない場合は、引込み直しということになり、単なる修繕では終わりません。今回は、大丈夫でした。

で、破損箇所よりも電柱側で通信ケーブルを切断し、そこから新しいケーブルに繋いでいく作業になりますが、以下の画像は光通信ケーブルの外側の被覆を剥いたところの画像です。これでもまだ、光通信ケーブルのガラスファイバーへの被覆はあります。

このすさまじく細い線で、あの大容量、高速通信が実現しているわけです。もちろん、専用の工具がなければ被覆を取ることも、繋ぎ直すこともできません。電気屋さんでなんとかなるレベルではありませんし、専用工具があっても、工事資格がなければ扱うことはできません。というわけで、なんとか無事復旧です。

さて、実は今回の改修では、光通信のための「ONU」やルーターを設置する棚をニッチをつくって準備してあります。隠れたところに電源コンセントも設置して、見た目をすっきりさせてます。本来、新築であれば、このコンセントの近くにCD管やPF管を配置するのですが、それができなかったことが今回の事故を招いたとも言えます。今後の改修では、先に光通信ケーブルの引き回しを確実に改修してからにしようと思います。

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