耐震改修で出くわすアルアル

十分な調査を重ねて耐震補強プランを作成し、それでは改修工事をはじめよう!としますと、意外といろんな隠れた問題に出くわすことがあります。そんな中で最も多いのが「筋交いの欠損」です。

一つ目は「エアコン取付時の筋交い欠損」です。画像1枚目がその事例です。エアコンは部屋の隅、しかも天井近くに取り付けられることが一般的な配置です。ところが、部屋の隅の部分には画像にありますように筋交いが配置されていることも一般的です。

エアコンの室外機への冷媒配管、排水ドレン配管などを通すための孔をあける必要があるのですが、内部から外部へ貫通する必要がある場合「コア抜き」という作業をします。大きなドリルで一気にあけます。そこに筋交いがあってもそのまま穿孔できてしまいますので、画像のような筋交いへの欠損ができます。このような筋交いは、地震の際に力が加わりますと、丸く欠けた部分に力が集中し、そこで折れてしまうことになります。

このようなことは、新築時にもエアコンを別途工事とする場合、電器屋さん(電気屋さんではないことにご注意ください)で取り付けを依頼する際、非常に多く発生する事例です。少なくとも建築的な知識がないと平気でこのようなことをしてしまいます。

二つ目にあるのは「窓取付時の筋交い欠損」です。画像の2枚目がその事例です。新築時にはあまりないとは思いますが、リフォームなどの際にご要望された位置に窓を取り付けるために壁に開口部を作ったところ、筋交いにあたり、それを切って構わず施工してしまうという事例です。もちろん、この筋交いを切断することで失った耐力を別のところでカバーするのであれば問題はありません。ですが、そういう処置を全くされない場合には、耐震性を損なう施工となります。

確かに、ご要望としては「窓を取り付ける」ことではありますが、そのご要望だけを実現することが仕事ではなく、本来は元々の耐震性能等をしっかりキープした状態でなされるはずの仕事が、おそらく「まぁ、いいか?」という甘い判断の上でなされてしまうということが現実にあるというわけです。

これらのケースは、そこに筋交いがあるという認識さえあれば、壁を少し外して中の状態を確認してから、穿孔なり開口部を作れば済むことなのですが、そういうことを意識しない施工業者は悲しいことに非常に多いです。木造住宅の場合、「筋交い」といわれる部材が耐震性能を担保する重要な部材であるということを今一度ご理解ください。


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