遮断熱シート「SDN-SHEET®」について

耐震関係のお問い合わせと同時に、多方面から弊社が標準仕様として使っている「遮断熱シート SDN-SHEET®」についてのお問い合わせも多数いただいております。このSDN-SHEET®は元々、弊社が次世代の省エネ性を担保するための建材として、16年前(2006年)より開発してきたものですが、平成28年12月に弊社関連会社として「エフケイティーラボ有限会社」を設立し、同社に研究開発、販売等を移管した経緯がございます。

弊社では省エネ建築において、それまで「断熱材」の性能をあげることで省エネ建築を実現していましたが、夏場の影響と冬場の影響との違いに、いわゆる「断熱効果」という視点で実際の建物をみたときに、例えば、エアコンを止めることができないなどの、省エネといいながらその実は電気エネルギーに頼る室内環境が必要であることに疑問を感じておりました。

断熱材は、熱の侵入を「断つ」わけではなく、単に熱の伝播速度を遅くするだけにしかすぎないわけですし、人が室内で活動する場合の熱に対する要求は、夏は涼しく、冬は暖かくという真逆の要求がある状態で、言い換えれば、夏には熱の侵入を、冬には熱の流出を防ぐことを目標にする場合に、断熱材が効果的に機能するとは思えなかったのです。

例えば、冬寒いときに人間は寒さを防ぐために大いに厚着をします。これは建物に断熱材をふんだんに入れ込むことと同じです。ですが、夏、太陽からの熱が激しく降り注ぎ暑さも厳しいときに、冬の恰好をしている人はまずいません。できるだけ薄着をします。ですが、建物は内外に配置された断熱材を「ぬぐ」こともできず、そのまま着こんでいるわけです。これでは暑い空気をためこんでしまうわけで、その熱が室内あるいは室外に放出されない限り、エアコンなどの空調を止めることはできません。断熱材の効果については冬の効果はあったとしても、夏場の効果にすごく疑問を感じていたわけです。

そんなときに出会った理論が「遮熱」という考え方でした。遮熱理論は、文字通り「熱を遮る」というものです。正確に言えば「赤外線を遮る」ということになります。これは、宇宙空間において人工衛星などに対する太陽からの熱対策をクリアするために考えられた理論が元になっております。宇宙空間では空気がありませんので、断熱材の効果はありません。断熱材の効果は材料の中にどのくらい空気を保持できるか?で性能が決まるからです。

遮熱理論を目の当たりにし、SDN-SHEET®によって、夏は外界からの熱(赤外線)を遮り、冬は、室内で暖房などにより発生させた熱を断熱材の内部に留め置く、この手法にいきついたわけです。これを弊社では、「遮断熱工法」と読んでおります。

以下に、エフケイティーラボにて発行しているカタログ画像をお示しします。

SDN-SHEET®は、高純度アルミ箔(純度99.3%以上、JIS H4 160)を表面とし、内部にPEバブルシート(通称、プチプチ)で構成されています。不思議な物理現象で、空気層をアルミで挟むと熱が伝播しない、完全に、熱を断ち切ることができるのです。以下は、SDN-SHEET®の構成図です。構成される素材はすべて「国産」です。

ところが、最近、このシートに類似する他社製品(すべて海外製)と、SDN-SHEET®を比べられた場合に、見た目の違いがわからず、性能面で全く違うにも関わらず粗悪な他社製を採用してしまい、結果として遮熱性能が出ないというお話をききます。SDN-SHEET®と他社製品を比較しますと、まずはっきりと違うのは、「表アルミの質」が違います。他社製は薄いです。従って建築現場などで使用しますと破れます。

さらに、なぜかアルミ表面に「赤錆」が発生するものがあります。これは、アルミ箔の中には、酸化により錆を発生するものを合金として含有しているものがあるためです。アルミ合金ですので、表面に保護層がなければ酸化します。この酸化が赤錆を発生させます。純度の高いアルミで構成されていれば、アルカリに対して「黒錆」が発生します。例えば、このシートを土間コンクリートの上に放置しますと、1,2日で表面に黒い錆がつきはじめます。これは構成されているものが「アルミ」である証拠です。このため、使用する環境に対応するために、SDN-SHEET®では一部の商品ラインナップに表面保護層を施してあるものを用意しています。また、内部のPEバブルシートの品質が粗悪であり、シート自体が非常に柔らかく、耐久性が乏しいです。そしてなにより、非常に価格が高いです。

SDN-SHEET®については、サンプル請求も含め、下記へお問い合わせください。

エフケイティーラボ有限会社
〒918-8012 福井県福井市花堂北2丁目15ー21
TEL 0776-37-3715
FAX 0776-36-2316

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