屋根の軽量化と耐震化

今日は祝日ではありましたが、どうもお天気が続かないので、現在耐震改修を行っている住宅の「屋根の軽量化工事」として、瓦を降し、板金屋根に改造する工事の下地工事を行いました。天気予報では「くもり」でしたので、連日の暑さもあまり気にならないかなぁーと思いましたが、全然、期待外れでしたwww

ちょうとお隣はお客様所有の駐車場でしたので、レッカー車などの車両置きなどはあまり苦労はしませんでした。これが町中でということになりますと、まずは作業スペースの確保で苦労することになります。画像は朝の段階のものですが、どんよりとした曇りですので、作業は捗るかも!と思っていたのですが・・・

瓦屋さんの手を借り、瓦を一枚ずつ剥がしていきますが、外壁と瓦の取り合い部分の「のし」や、三角屋根の頂点の部分の「棟ののし」の部分には「土」が使われて葺かれていますので、この土の除去も瓦降しの作業としては必要になります。今回これを下屋(1階の屋根)と本屋(2階の屋根)のどちらにも施しますので、廃棄される瓦や、土の量はかなりあります。今回下屋だけでも2tトラックに2台分ありました。

瓦をめくると、木の桟がみえてきます。これを「瓦桟」といいますが、これに瓦を取り付けることになります。今回、板金屋根に変更するので、この瓦桟も綺麗に撤去していきます。これも廃棄物ですので、瓦桟だけでも1tBOXに一杯は出ました。

さて、昔のフェルト防水がみえていますが、このまま防水をし直して、板金屋根を葺いていくというのもなくはないのですが、実際、使われている「野地板」という板がそれほど厚みがないので、今回は、既存のフェルト防水の上からまずは新たな野地板として「構造用合板」を張ることにしました。使用する合板は、福井県が誇る「福井県産スギ構造用合板」です。

これにより、屋根面下地が強化されますが、屋根の垂木に直接この新たな野地板を張るわけではありませんので、計算上の条件としては既存の野地板のままです。ですが、ある程度の構面力の強化は期待できると思います。既存の野地板は6mm程度しかないので、しっかりと釘を屋根垂木に到達させることができるためです。

そして、めくる作業班と、野地板を張っていく作業班をわけ、午後からスパートをかけだしましたw

画像をご覧いただけるとお気付きかもしれませんが、この日、午後より、いわゆる「危険な暑さ」となり、曇り予報だったものが、灼熱の太陽が顔を出す天気に変化しましたwww 作業してくれた職人さんは、空調服を着ていても全く効果がないくらい、屋根面の輻射熱により体を焼かれている感じですw というわけで、無事、下屋の瓦降しも完了し、明日は下葺防水します。

さて、瓦屋根を金属屋根にすることにより、屋根が軽量化しますが、頭の重さを軽くすることは、耐震性の向上には非常に効果があります。ここで勘違いしてほしくないのは、本来であれば、瓦を載せることを前提とした設計を行えば問題ないのですが、その設計として耐震性を担保している設計に「なっていない」ことが多く、結果として屋根を軽量化することに利点がある、という流れになっているだけだということなのです。瓦の屋根が劣っているわけではないことをご理解ください。

今回、内部の耐力壁増強とこの屋根の軽量化により、耐震診断における評点は、「積雪1m」で「1.5」をちょっと下回るレベルまで向上しております。屋根面の軽量化では、おおよそ3割程度の評点向上が見込まれますので、例えば、古い住宅で屋根の劣化などが気になる場合には、瓦から金属屋根への変更は耐震性をアップさせることも追加されますので、有効な方法であると言えます。

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