ホワイエ

「ホワイエ」っていうと、どうしても製図の資格試験を思い出しますw 最初、ホワイエって言葉を知ったのは、その資格試験の製図の参考事例を見たときなんですが、「玄関ホール」と何が違うんだろうとすごく疑問でしたw

ホワイエとは、建物の出入り口と、主要な用途のスペースや部屋との間に位置する、いわゆる「客だまり・人だまり」というスペースのことを指します。

まぁ、ある意味「広いスペース」を指すものと言えますが、だったら「ホール」ではダメなんでしょうか?w 例えば「エントランスホール」とか「玄関ホール」とか言うわけですので、「ホール」も同義ではないか?と思いますが、「ホール」とはどっちかというと、会議とかコンサートとか演劇などイベントで利用される「多目的スペース」を指すようです。

また、同じようなスペースを指す言葉としては「ロビー」というものがあります。「ロビー」と「ホワイエ」はどちらも、「客だまり・人だまり」なわけですが、ちょっと微妙なニュアンスで違うようです。「ロビー」は「ホテルのロビー」などのように、主に「面会」、「待ち合わせ」、「懇談」など、目的を持った行動がなされる場所を指し、「ホワイエ」の場合には、特段の目的がない利用スペースなようです。

まぁ、「ホール」も「ロビー」も「ホワイエ」もデカいスペースで、玄関に続くスペースだということは変わりありませんが、ちょっと使い分けて図面に、「ホワイエ」なんて書くと、おしゃれな感じがしませんか?wwww(まぁ、ホワイエってフランス語ですので、それだけでもおしゃれっぽいですけどw)

で、実は、「住宅」でも「ホワイエ」という考え方を導入すると、パブリックとプライベートをしっかりわけることもできたりします。要するに、

玄関 → ホワイエ → 個々の空間

という感じで人の移動の「緩衝」エリアなわけですので、住宅でこれを採用すると、玄関に続くスペースを「ホワイエ」として計画し、来客に関してはそのスペースで済ませるってことで、確実にプライベート空間とを差別化することができるってわけです。

こんなことを言うと、ホテルや劇場のような、そんなに広いスペースを住宅で取れるわけない!と言われ🄬かもですが、広さの問題ではなく「室」として緩衝スペースを作ることを目的とするってことで空間の仕分けをするってことです。なので、弊社の間取りは「玄関ホール」と書くことが多いのですが、その「玄関ホール」が建具で仕切られた「部屋」にしていることが多いです。もちろん、その玄関ホールに面してトイレや階段などを設置することもしません。

一旦、ホワイエ(玄関ホールw)で来客応対をすませ、必要であれば中に通すというステップを間取りで構成することで、プライベート空間から来客を意識することはなくなります。

多くの住宅でよくあるのは、玄関横にトイレがあるプランなのですが、トイレに入っているときに玄関にお客さんがいて、家人と話しをしてたり、なんか書類を書いていたりすると、恥ずかしさのあまり、トイレの水を流すこともできない状態になったりします。それが洗面脱衣室なんかも連なってると、入浴したあとに、下着なんかがなくて、さすがにお客さんの前を横切って、素っ裸で部屋まで取りに行くのはできませんよね?w

まぁ、こういうことを子供の頃から経験してれば、自分が建築関係の仕事をするようになって、間取りを考える場合には、

「あんな、はずかしい思いはさせたらアカン!」

と考えるわけですが、いつの間にか当たり前に考えてたことが、それ「ホワイエ」って言うらしいと知った時は、少々うれしかったりもしました。

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