2月25日は、ラジ+(TAS)にて第4水曜日にお送りしている弊社ラジオコーナー「福登建設の快適家づくり研究所」の放送でした。

今日のラジオテーマは、「ローン減税が受けられないリフォームローンなんてあるの?」っていうことを取り上げました。これだけ聞くと、そんなもんがあるんか?っていうコメントが返ってきそうですが、実は、存在しています。そして、それはローンとして金融商品が悪いわけでも、金融機関が特殊だということでもありません。原因はどちらかというと、リフォームを請負った「側」の問題があります。
そもそも論、住宅減税とは2種類のモードがあります。ざっくり言いますと、一つ目は工事費用を金融機関から借り入れた資金で執り行うもので「ローン型」といいます。一般的に「住宅ローン減税」といわれているものです。もう一つは、自己資金で執り行う工事で、特定の性能などを担保するような工事を行う場合で「投資型」と言われるものです。どちらにも、新築のモードと、リフォームのモードがあります。なので、住宅ローン減税を受けるためには新築じゃないとダメなわけではありません。
例えばですが、1,000万くらいのリフォームローンを組んで、耐震改修工事と省エネ関係の改修と段差解消などのバリアフリー改修を行ったとか言う場合には、リフォームで「住宅ローン減税」を受けることになります。また、耐震改修工事を補助金+自己資金で行ったとしても、昭和56年6月以前の住宅で評点1.0以上となるならば、耐震改修工事のみで控除を受けることができます(投資型ということになります)。
新築の場合は確実に確認申請などの行政手続きがありますので、住宅ローン減税を受けることに問題はありませんが、リフォームの場合には「増改築等工事証明書」が控除申請上、必要な書類になります。なぜ新築の場合には特段問題がないか?といいますと、ほぼ確実に建築士がその設計に関わり、新築ということで確認済証と検査済証が発行されるわけですので、
「確実にその工事が実行されたか?」
という部分での判断は付きやすいわけです。ですが、リフォームの場合は、確認申請が必要ないものもあります。設計内容が法的な審査を受けるということもほとんどありませんし(過半の改修などは別)、当然、行政側が完了検査を行うようなこともありません。言い換えれば、確実に工事がなされ、そのために経費が支払われたということが必ずしも言えないわけです。支払いのほうは、領収書や契約書などで確認できますが、「工事をした!」という具体的な確認を税務署側ができる術がないのです。そこで、特定の立場の人に「増改築等工事証明書」という形で、工事内容や、かかった費用などを記載してもらって「証明書」として提出させようといものなわけです。
この「特定の立場」の人というのは、以下の通りです。
建築士(建築士事務所所属)
指定確認検査機関(国土交通大臣または都道府県知事の指定を受けた機関)
登録住宅性能評価機関(住宅性能の評価機関)
住宅瑕疵担保責任保険法人(瑕疵保険の法人は登録瑕疵担保責任保険法)
という感じです。下3つは、たぶん一般の方々にはなじみがないと思います。そこで大抵は「建築士」にお願いするというわけです。リフォームをするときに設計などをお願いした「建築士さん」に「増改築等工事証明書」を発行してもらう、これはすごく自然な流れなわけですwww
ところが、建築士が「増改築等工事証明書」を発行するためには、その建築士が「設計事務所」として登録されている事務所に「所属している」必要があるわけです。もっと言えば、単に資格試験に合格して建築士となっただけで、この「増改築等工事証明書」は発行できないってわけですw
この「無所属」、「無登録」の建築士というのは結構やっかいな問題なのです。あまり一般のお客様には知られていないのですが、「事務所登録をしない」というのは、法的には「設計等の業務で報酬を得ない」ということになります。これは、建築士法で
(無登録業務の禁止)
第二十三条の十 建築士は、第二十三条の三第一項の規定による登録を受けないで、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を業として行つてはならない。
2 何人も、第二十三条の三第一項の規定による登録を受けないで、建築士を使用して、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を業として行つてはならない。
という規定があるためです。そして、この規定に違反しますと、刑罰を受けます。
1年以下の懲役または100万円以下の罰金
です。さらに欠格事由となり、当該建築士の免許取り消しとなることもあります。実はそのくらい重大な問題なのです。
では、なぜ「建築士事務所登録」をしないのでしょうか? 実はこれには様々な理由があります。ですが「登録し忘れ」ということはあり得ません。いくつか具体的な理由としては、「管理建築士」になれないということです。この管理建築士は、建築士として3年の実務経験を積んだあと、「関係者による業務経歴の証明」を必要とします。講習を受ける「だけ」で管理建築士になれるのですが、入口の部分でかなり厳密な要件確認があるわけです。
建築士としての業務経歴を積むためには、普通に考えればすでに建築士事務所として活動している会社に就職し、3年間がんばるということが手っ取り早く、そこの代表者さんや、同僚にお願いすることになります。退職前でもいいわけです。でも、そういったことができない方もいるわけです。
また、事務所登録を行う場合には、個人であれ法人であれ、設計事務所としての資質を問われます。装備品の一覧や、法人であれば役員の一覧など、かなりの書類量です。さらに、一回登録したら終わりではなく、5年更新になります。もちろん、費用もかかります。そして、トドメは、事業年度(決算など)が終われば業務報告が義務付けられています。福井県では、確認申請時、建築士事務所の記載欄があり、業務報告が出されていない、滞っている場合には指摘が入ります。
さて、「増改築等工事証明書」に話しを戻しますが、発行できない場合というのは、その工事会社が設計事務所をしておらず、また、証明書を発行してもらえる事務所を知らない(付き合いがない)という場合なわけですが、担当の人が名刺に「一級建築士」とか「二級建築士」とかの肩書が入っているにも関わらず、その会社が事務所登録をしていないというケースが多いわけです。
名刺をもらったり、お話しをしているときには「建築士」だと思っていた人が、確かに建築士であることは間違いないですが、事務所登録をしていないという状況だということを理解していないケースは多いのではないか?と思います。そしてそれが初めてわかるのが、この「増改築等工事証明書」の発行に際してということになるわけです。
方法としては、他の設計事務所に依頼するなどが考えられますが、その際には、行った工事内容の「全て」がわかる資料、例えば、設計図書、そして重要なのは「写真」です。工事契約書や金額や数量が記載された見積明細も必要でしょう。でも、往々にして、それらの資料が「ない」という場合が多いのです。そのくらい、「ずさんな」工事契約だということです。
本来、きっちりしているところであれば、自社が「増改築等工事証明書」を発行できないことを最初に説明するでしょうし、発行が必要であれば外注するためのルートを確保しておくなどの手はずと説明をするはずです。確定申告の時期になってはじめて「増改築等工事証明書」を発行できないということを言い出すのは、正直、不誠実な会社であると言えます。
音源はコッソリアップしておきます♪

