古い建物の場合、襖戸には「敷居」と「鴨居」が入っていて、それぞれ溝が付いていて開閉できるようになっています。

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雪で襖戸が開かなくなるのは「鴨居」が雪の重みでたわんでしまうことから発生しますが、雪がなくとも襖戸の開閉が困難になることもあります。その一つに「敷居溝の摩耗」というものがあります。
襖戸の開閉がかなり頻繁になると、襖戸の底面と溝面がこすれて削れていくことから発生しますが、実は、開け閉めの頻度が影響していると一概に言えないこともあります。それは「開け方」の問題です。

この襖戸の開け閉めを想像してほしいのですが、一般に襖戸って立ったまま開けますよね?w まぁ普段の生活な当たり前なんですが、襖の引手に指をひっかけて右に引いたり、左に引いたりすると思います。そのとき、人って真っ直ぐ水平に引くんじゃなくて、「斜め上」の方向に引っ張るような形で引きますw
そうすると、極端な言い方をすれば、戸自体が斜めに傾いて動き出すわけです。例えば画像向かって右側の襖戸を引手をもって右に引くと、斜め上方向に腕が動きますので、極端に言えば、襖戸が左下の角だけ敷居についている状態で引かれるわけです。
当然、襖戸の重さが戸の底面全体にかかるのではなく、角を支点として「引きずる」ので、角で敷居を削っていく状況になるわけです。まぁ、敷居自体は造作材としては硬い木を使いますのでそれほど顕著になりませんが、杉などの比較的柔らかい材料ですと、40年、50年と頻繁に開閉されると削れるわけです。
でも、「襖の開け方」というものに作法がある「茶道」では、この敷居の溝の劣化に対して考慮されていると言えます。

【ふすまの開け方・閉め方】
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あくまでも襖は「膝をついて開け閉めする」ということが前提になります。また、これは「板戸」も同じです。時代劇なんかに出てくる板で作られた戸を武士が「バーン!」と開けて飛びかかってくるなんてのは、建具からみたらあり得ないってわけですwww
で、この茶道の所作で戸を開け閉めすると、戸にかかる力は敷居附近で、しかも戸の底面に一様にかかることになりますので、敷居を痛めることは非常に少ないというわけですw
まぁ、でも、家中の戸をこんな形で開け閉めするようなお家はまずないわけですので、敷居の摩耗対策としては溝に樹脂製のものを敷いたりして補強するということもあります。

