暑いとわかる壁の中

強烈な暑さに見舞われている日本です。なんと、沖縄のほうが涼しいという状況になってきました。避暑地沖縄ってなっちゃうのかなという心配さえあります。

そんな暑い中、現在、概ね1週間に1軒くらいのペースで「耐震診断と補強プラン作成」の依頼が舞い込んできます。能登地震発災以来、福井県では耐震診断と補強プラン作成についての補助を拡大しており、昨年度、凄まじい方の申込みがあり、昨年度内で対応できなかった分を年初から対応している状況です。4か月経過してもまだ昨年度分を行っているという状況です。

調査は「原則目視」で、あとは当時の図面などとの突き合わせによって個々に判断するわけで、壁の中の状況、特に、筋交いの存在や柱の存在については、当時の図面もなく、目視確認もままならない場合には調査結果としては「ないもの」として扱うしかありません。従って、調査時に壁の中がわかることは効率もあがりますし、なにより精度が高まるわけです。

以前のブログでも「見えない壁の中を推測する」というテーマで取り上げましたが、この壁の中を見定めるためには「サーモカメラ」は結構使えます。

ですが、サーモカメラは温度変化を追従するだけですので、温度差がほとんどない場合には、あまりよくわからないという欠点があります。ところが、ここ最近の異常な暑さは、この決定結構カバーしてくれるという皮肉な状態になってますw

画像が大きいとあまりよくわからないので、サムネイルで表示させますが、いかがでしょうか?斜めの部材や垂直の部材がわかると思います。

筋交いを見つけることに主眼を置きがちですが、実は、柱の配置位置も重要です。和室などの真壁の部屋ですと柱が見えますので、その間を測ればいいわけですが、大壁で隠れている場合には想定するしかありません。そんな時にもサーモカメラによる調査は結構威力を発揮しますが、中間期で室内外の温度差があまりない場合にはわかりません。

でも、これがわかるというのは、ある意味、断熱性能がないという側面もあるわけです。イマドキの建物をサーモカメラで映しても、しっかりと断熱などの措置が取られている場合にはほとんどわかりません。弊社のSDN-SHEET🄬による遮断熱工法での壁だと、さらに熱橋もなくなるので、サーモカメラの映像がノベーっとしたものになりますw

耐震診断と補強プラン作成補助事業は、昭和56年6月以前のものが対象ですので、断熱性能については、ほとんどないか、あってもレベルの低いものです。皮肉なことにそれが柱や筋交いの調査に役立っているなんてなんだかなぁと思います。

タイトルとURLをコピーしました