見た目だけではないコンクリートの品質管理

Youtube動画などで「基礎コンクリートの施工品質」ということを話題にして解説している動画がアレコレあります。多くは「施工面」での問題を指摘するものが多いです。例えば「ジャンカ」と言われる、生コンクリートがしっかり詰まっていかず、ムラがでるようなことがあり、強度低下の原因になるというものです。残念ながら、弊社では「ジャンカ」が発生しないので、施工上の問題として画像をアップすることはできませんwww なので、日経クロステックさんのサイトで取り上げられていたリンクをご紹介しておきます。

コンクリート打設は一発勝負ですので、施工時の緊張感というのはハンパないんですが、このジャンカが発生する理由は、コンクリートを型枠の隅々までしっかりと行きわたらせなかったことが原因ですが、このような「バイブレーター」を使うことで均一に仕上げていくことができます。

ですが、このマシンを使って、ずーっと振動を与え続けますと、重いものは下に、軽いものは上にいくので、砂利が下にたまり、モルタル分が上に行くということでかえって底の方でジャンカを発生させる結果になります。いずれにせよ、「いい塩梅」っていうのがあるので、そこらへんを対応できないと施工品質は上がらないのです。

ですが、このように施工レベルでの品質を問題にする人は多く、住宅関係ではいわゆる「不良工事」を扱うことで注目をあび、動画再生数が伸びるという意味でのイイネタになってるんですが、ジャンカに代表されるようなことが施工不良なのか?と言えば、そりゃぁ、基礎全部がジャンカになっていれば大問題ですが、間仕切り的な基礎部分に多少のジャンカがあったところで構造的に致命的な問題になるわけではありませんし、打設からそれほど日数が経っていないのであれば、モルタルなどで埋め込んでいく補修で十分対応はできますw 繰り返しますが、そんなことになってないので、ジャンカ発生!で慌てたっていう経験はありませんwww

今日取り上げたい問題は、そういう施工上の問題で強度が!っていうのではありません。そもそも論、「コンクリート強度」を意識して設計と施工がなされているか?という部分なのです。少なくとも2025年4月から運用開始されている「改正建築基準法」では、2階建ての住宅レベルでも相当な構造品質管理の「結果」を検査時に提示する必要があるわけですが、それを提示する場合には、設計での指示と実際の現場施工時の状況が必要なわけです。

さて、意地悪なことを聞きますw


あなたが建てた家の「コンクリート品質」の指定はなんですか? それが設計図書等に明示されていますか? その通りに施工した証はありますか?


いかがでしょうか?w もしこれがないとすれば、ジャンカで大騒ぎするようなレベルではないくらいまずい状況なのですw コンクリートには強度指定が必要です。設計では基礎より上、上部構造の荷重を引き受けるために相当な強度を要求されます。このコンクリートの強度は、生コンクリート会社にコンクリートを「発注」する段階で指定するものですが、あなたが建てた家のコンクリート強度はなんだったか?を理解してますか?ということです。

もちろん、コンクリート強度が強くなれば、単価は微妙に上がっていきます。なので経済設計が必要なのですが、安くするならコンクリート強度を下げればその分安くもなりますw ジャンカも全くない綺麗な仕上がりの基礎だったとしても、指定強度がハッキリしていなければ、基礎工事を行う業者が「勝手に」強度を決めて発注することも考えられるわけです。

一応、最低レベルとして、基準強度18Nというものがありますが、30年、40年前の家ならいざ知らず、イマドキ、耐震性を吟味するような場合には、こんな貧弱なコンクリートはつかいません。というか、18Nで設計すれば、基準強度が低い分、より厚く、より高くしないと基礎はもちませんwww それを設計でしっかりと指定していますか?ということに関しては、ジャンカをネタに動画を作る人はあまり取り上げませんw

理由は簡単かもしれません。コンクリート強度の指定をしたことがないからですw こういう人に限って発注時に「普通の」という言い方をしたりしますwww 普通ってなに?ってわけですが、受注した生コン屋さんは、付き合いもあるので「じゃ、可もなく不可もないところで出すか」ということになります。よほど性格が悪くなければ、21Nを出すと思いますがw まぁ、普通ですwww

さて、本来、コンクリートの発注にあたっては実は通過儀礼みたいなものがあります。

例えば、「普通で21-18-20」って発注しますが、その前に、配合計画書というものを発行させます。まぁ、急な場合には品質指定だけして、書類は後からってのもないわけではないですw

設計では、基準強度の21Nで設計してますので、その強度でのRC造の基礎として施工するわけで、基準強度が21Nを下回ることは「ゆるされません」。ですが、イマドキのJISの生コン屋さんが指定した強度を下回るようなことは「あり得ない」のですwww なんのためのJIS工場なんやねんっていうレベルです。この配合計画書はまだ何ページもあるんですが、生コン屋さんにしても、

「お前がこれや!ってゆうてきた生コンやけど、これでいいんか?」

っていう書類ですので、よければそのまま発注ってわけです。でも、イマドキ強度が出ないなんてことがないとは言えば、やっぱし、ちゃんと出てるんか?ってのを確認する必要があります。それが「試験体による試験」です。

現場で打設する時に、その最初に運ばれてきた生コンから試験体をつくります。ルールは打ち込み量や回数で、試験する回数も変わってきますが、住宅レベルであれば、1回の試験で大丈夫です。そこで得られるのは、コンクリートの養生期間(28日)たった試験体がどれくらい強度が出ているか?というものと、塩化物試験といって塩分濃度がどのくらいあるか?っていうのを測定します(カンタブ試験)。川砂や砂利を使うなら問題ないのですが、海沿いで採取される砂や砂利の場合、塩分を含んでいる可能性もあるためです。実際には、配合計画で採取する砂利の「場所」までしっかり管理してるので滅多なことはありませんwww

で、結果ですが、概ね21Nでは発注した生コンの強度は、24~25Nは出てきますので、3N分設計に余力を持たせることができるわけです。これが、

「普通に生コンを発注し打設した場合」

の品質ですwww ですので、ジャンカだらけの基礎ならいざ知らず、どこか一か所、ちょっとジャンカになったくらいで強度が出ないわけではないってことです。ただし、強度設計をして、その想定した強度で材料を発注している場合だけですがwww

本気でコンクリートの品質管理をし出したら、こんな小規模建築物でやってるレベルの品質管理では話しになりません。高速道路や鉄道、国道などの公共工事では、もっともっと厳密な試験結果を求められます。検査も第三者機関での検査が必須だったりもします。

でも、そんなことまでしなくとも、せめて、発注したJISの生コン工場とかに強度試験を依頼したり、もっと基本レベルで生コン強度をちゃんと設計で指定する必要があるわけで、この強度を計算できるのは「構造計算」による場合だけです。ジャンカを取り上げてネタにする前に、計算や品質試験をしてるのか?をネタにしてほしいところです。

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