ラジ+(TAS) 2025/12/24

12月24日は、ラジ+(TAS)にて第4水曜日にお送りしている弊社ラジオコーナー「福登建設の快適家づくり研究所」の放送でした。

今日のラジオテーマは前月に引き続き「火の用心」ということで、「火災」に関する備えについてをとりあげました。

防火性能という意味合いでは「難燃材料」、「準不燃材料」、「不燃材料」というくくりがあって、法的に求められる防火性能を担保しながら建築するわけですが、実際に火災が発生するとどうなるか?といいますと、イマドキの住宅ですと、室内から発生した火災が外からみて視認できるレベルになるまでは相当な時間がかかるか、下手をすると全く気が付かないレベルで「中だけが燃える」という状況になってしまうくらい外壁面の防火性能は非常に高いのです。

また、隣近所から火の粉が飛んで、延焼により火災が発生する場合でも、外壁面に火の粉が当たっても火災になることは実はほとんどありません。それくらい外壁面の防火性能は、特殊な材料を使わずとも一般的な仕様(例えば、サイジングや石膏ボード+GL鋼板、あるいはモルタル塗り)では火災にならないのです。

ではどこから延焼するのか?といいますと、「軒裏」や「屋根周囲」が弱点になるのです。ラジオでは「天井裏のハチの巣」を例に出しましたが、軒裏から屋根面直下の天井裏の部分には意外と隙間が多いのです。また、屋根の周りの部分の部材、これを破風板、鼻隠しといいますが、この部分が「木部さらし」となっている建物は非常に多いこと、若干古いデザインの建物ですと軒裏に「母屋」がさらしになっているものも多いです。また、軒裏になにか張ってあるわけではなく、「屋根垂木」がさらしになっているものも多いです。こうした屋根自体の仕上げは瓦などの不燃材料ですが、その周りや裏側については実はさほど防火性能が高い状況ではないことが多いのです。

さらに決定的なことがあります。外壁面については「防火性能」があるという言い方をしましたが、外壁面には建物の内側の面が必ずあります。部屋の中では内壁として石膏ボードなどが張られていることで防火性能もあり、「外壁」という内と外を一体として考えた場合には問題がありません。ですが、天井裏の状況を見ますと、画像のような状況になっていることが多いのです。

束や間柱が天井裏で露出しているところです。外壁ということであれば、この部分にもなんらかの「内壁側の措置」が必要になります。延焼の恐れがあるとして法的に定められている、

「敷地境界線から1階は3m、2階は5m以内を延焼の恐れのある部分とする」

という規定に従う必要は必ずあり、これを自称専門家の無理解や現場の勝手な判断で対応しないことが、画像のような状況を作り上げているのが現実です。この画像は相当古い家ですので、ある意味致し方ないと考えることもできないわけではありませんが、意外と令和に入ってからの家でも対応していない建物は非常に多く存在しています。なお、これらの法規制ルールを「防火地域」、「準防火地域」といった防火規制されている地域だけという誤った解釈をしている設計者もいるようですが、そんなことはありません。

市街化区域において、防火規制としての地域指定はなくとも、地方公共団体により「法22条区域(屋根規制)」と「法23条区域(外壁規制)」を受けている箇所については、外壁については最低でも、

「外壁の準防火性能」

が求められますので、天井裏にもこの性能を持つ措置が要求されています。なお、この法22条、23条区域は、福井市においては都市計画区域内全域ですし、その他の市町村でも概ね同等のエリアとなっています。従って、特段、防火地域の既成を受けなくとも、必然的に延焼の恐れがある外壁面については規制を受けることになります。

火災に関しては、自分のところを火元にしないことだけなく、延焼させないという工夫も求められているわけで、建築という行為が社会的な影響を与える行為であるということを建築される方はしっかりと認識する必要があるわけです。

というわけで、今日の放送で今年は終了です♪ 来年もがんばってラジオでネタ披露していきたいと思います。

クリスマス仕様のあべちゃん、稲木さんwww

音源は出来次第コッソリアップしときます♪

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