窓の無いトイレ

ホテルやオフィス、施設などでは、トイレに窓がないことは当たり前ですよね?w 結局、人の動きを考えた場合にトイレに窓を付けるとなれば、位置的には外壁に面している位置に配置するしかありませんから、間取りを考える上で結構、限定されるような位置にトイレを持っていくことになります。

住宅などでも間取りを考えていくうちに、トイレさえ建物の中央とかに配置できたら結構、理想的な動線になるのにな!と思っても、潜在的に「トイレに窓は必要」としてその理想を捨てちゃったりします。でも、この「トイレに窓が必要」というのは実は「法的な根拠」があるってご存じですか?w 建築基準法ではトイレの規定があって、そこでしっかり規定されているんですw

建築基準法施行令 第28条 便所の採光及び換気

 便所には、採光及び換気のため直接外気に接する窓を設けなければならない。ただし、水洗便所で、これに代わる設備をした場合においては、この限りでない。

施行令第28条の規定です。「窓を設けなければならない」って書かれてます。これが「トイレに窓は必要」という暗示になってますw そう、まさに「暗示」なんです。

でも、なんで、ホテルやオフィス、施設などではトイレに窓がなくても問題ないんでしょうか?w それが令28条の「ただし書き」にある、

「ただし、水洗便所で、これに代わる設備をした場合においては、この限りでない。」

という部分でクリアしているというわけです。でも、「これに代わる設備」ってなんでしょうね?w

まず前提として、いの一番にくるのは、

「水洗便所」

です。この水洗便所に相対するのは「汲み取り式便所」です。もうイマドキ、汲み取り式の便所というと、工事の仮設トイレや、海や山などのアウトドア施設などでの便所くらいだとは思いますが、それでも下水道の整備されていないところで、かつ、個別浄化槽を設置できないようなところでは、「簡易水洗」という極、少量の水で排泄物を肥溜めに流すというところもあるので、「水洗便所」でないことはありえないとは言えません。この令28条は結構重要な法文で、下水道法での汲み取り式便所の3年以内の下水接続義務などをすすめる上でも、窓がない水洗便所以外の便所を扱いにくくすることで、下水処理化を進める一助にもなっています。そこで、トイレに窓がないことを可能にする大前提を「水洗便所」としているわけですw

次にくるのが、

「採光及び換気」

です。光が入って、かつ、トイレ内の換気ができることを求められています。窓のないトイレは真っ暗になりますし、トイレ内の臭気は他の室が負圧になればそちらに流れますw ダイニングで食事をしてて、キッチンの換気扇を回したら臭いのが流れてくるって感じになりますwww そこで、窓は採光と換気のためのものだと定義しているわけです。そして最後の、

「これに代わる設備」

というのは結局、水洗便所で照明で採光を得たり、換気ができたりする「設備」を設置しろ!ということを求めているわけです。

でも、冷静に考えてみてくださいw イマドキの建築で、トイレが水洗じゃない、換気扇もついていない、照明もない真っ暗闇の中、用を足す、なんていうトイレがありますでしょうか?w 絶対っていっていいほどありませんw

ですが、法適合審査では、この当たり前のことの「記載」が求められるってことですw これはトイレに窓がない場合の図面の一例ですw

はしっこに、令第28条で求められる「これに代わる設備」を文言で記載していますw 型番とかそんなもんは必要ないです。審査は令第28条の条件として「採光」、「換気」、そして前提である「水洗である」ことの記載があればOKです。当たり前な便所の仕様ですが、それが法で求められる仕様だったというわけですw

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