耐震改修で出くわすアルアル#3

目視調査が主となる補助事業での耐震診断及び補強プラン作成を行ったあと、正式に耐震改修を行うという場合においては、必ず再調査を行う必要があり、解体してもその場ですぐに復旧できるような箇所を見つけながら、改修予定箇所の壁や柱、梁の状況を再調査という形で行う必要があります。今日は、その際に発見した耐震改修で出くわすアルアルのその4をご紹介します。

まずは画像をご覧ください。

違和感感じませんか?w これは仏間と押入の境部分の壁の基礎を調査した際の画像です。古い建物の場合、中通りの間仕切りしたには基礎がない事例が多く、今回もおそらくないんじゃね?って感じで床をめくってみました。

和室の畳下の板は、「荒板」といって畳を受けておくだけの板ですので、上等な木材でつくられているわけではないので、こうしてめくって、また戻すということはなんの造作もいりません。ですので、和室からの調査というのは比較的簡単にできるというメリットがあります。

補強計画においては、押入などの仕上げが非常に安価な部分を狙ってプラン作成を行ったりしますが、その際重要になるのは、手をいれる箇所の壁が耐力壁になりうるかどうか?というところです。従って基礎や土台の存在はかなり重要です。

さて、画像の違和感ですが、仏間と押入の間の壁と基礎の位置がずれていますw そして、そのズレがとんでもないところにずれているわけではなく、「ん?」っていう感じでのズレです。当初、このズレは、部屋の幅が6畳間の短辺だったので、その「真ん中」に基礎をつくってしまい、仏壇を置く計画での幅に連動しないようになってしまったのかな?と予測したのですが、そうではありませんでした。

おそらくなのですが、基礎の幅の墨出しを行うときに、最初に打った墨が基礎の画像向かって「右側」であったにも関わらず、「左側の墨」と思いこんで墨出しをしたようで、しっかりと150mm、基礎幅分ずれているのですw まぁ、いわゆる「やっちまった」状態ですが、正直、そうであれば、150mmさらに基礎幅を厚くするなどの措置をとってくれればいいのですが、そのままやっちゃったわけです。

土台の状況を確認すると、まさに残念な状態になっていました。土台幅は120mmですので、しっかりと基礎まで15mm空いてましたw やはり、右の墨と左の墨をお間違えになったもよう。こうなりますと、基礎の幅を打ち増しするしかありませんので、この壁を耐力壁としてしっかとしたものにするために、若干ではありますが、基礎工事が必要ということになります。

工事での間違い、ミスは絶対にあってはならないことではありますが、万が一ミスった場合には、それをちゃんとリカバーするだけの補強や補修を行う必要があるわけですが、土台があれば柱は立ちますので、それほどこの基礎のズレを当時は重視しなかったと思われます。

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