耐震改修で出くわすアルアル#13

アルアルシリーズですw 相変わらず、週に1件ペースでの耐震診断調査依頼が舞い込んでくる状態です。診断をいくらやったとしても実際の改修の数が伸びないと国がいう耐震化率の向上っていう部分では寄与しません。耐震改修で求められることとしてもっともデカいのは「コスト」です。地震に対して備えをするという意味で、それを行うこと自体が大事なことだとはわかっていても、「ない袖は振れぬ」わけですので、補助金+αのαの部分はできるだけ抑えたいわけです。

耐震計画を立案する上では、設計が理想とする改修内容が受け入れられるか?といえばそうではありません。このレベルであれば、最低限これくらいの内容でなんとか「倒壊」には至らないというレベルだという部分の提案が非常に重要になってきます。その「さじ加減」が補強プラン作成時に求められるわけです。

前置きが長くなりましたw さて、今日のネタは「大工さんのモダンスタイル」という建築様式というか、デザインというか、そういうなのを取り上げたいと思いますw いろんなお家の調査にいきますと、建築したときの大工さんが凝りに凝ったデザインを散りばめた造りをみることができます。以前のブログでご紹介した和風住宅の「建築の教科書」みたいな納まりをしている建物もありますが、

ちょっと今風(とはいえ、築50年は経過していますがw)の中にも拘りを感じるものがあります。これをご覧くださいませ。

部屋の一部の壁が丸くなってますw この丸くなっている箇所の外側も「丸い」のです。要するに「アールがついた壁」なんですが、さらに、その部分に「ニッチ棚」までつけてあります。そして、天井部分の一段下げた部分も「アール」がついています。

これがなんで「大工さんの」といいますと、図面がないんですw 確認申請ももちろん出てません。大工さんに家を建ててと頼んで執り行われる形態です。お客さんがご注文なさったのか?というと、そうでもなさそうですw

まぁ、この丸くなった部分の壁はいわゆる「耐力壁」として評価などできませんが、かっこよくしたいという意識がこのようなデザインを生んだのではとも思います。でも、実は作り方はそれほど難しくありませんw

柱が入っているのは、赤の塗りつぶしの部分だけです。青線の部分が本来、角の部分になるんですが、この柱がないだけなんです。赤の柱の間をきれいにアールを付けて仕上げるというわけですが、単に壁を作るだけなら、自在に曲がるベニヤなんかでできます。でも、この物件の場合、ニッチをつけないとダメってところがややこしかっただろうなと推測します。もしかしたら、できた壁をみてお客さんが「棚がほしい」とおっしゃったのかもしれませんw

こういう拘りが見れるのも診断時の面白い経験になります。

タイトルとURLをコピーしました