#1に続きます♪
告示の改正により、「筋交いを入れた軸組の高さ」が「3.2m」を超す場合には、筋交いの倍率の低減をを行うことが義務付けられたわけですが、それが「階高」なのか「横架材天端間距離」なのか、微妙にはっきりしないところが問題なわけですが、まぁ、以下、説明を簡略化するために「横架材天端間距離H0」ということにしますw 正直、ここら辺がどこからどこまでの距離を取るかなんていう極々法律的な扱いを考えるのはマジでメンドクサイですw 「横架材天端距離H0」で判断していれば、それほど問題になるような事例はないと思いますw

さて、このH0を決定するもっとも重要な要素は「柱の長さ」です。これを一般流通材としての「柱」に着目して考えますと、1本の柱の長さはだいたい「3000mm」です。尺貫法で材料をとっているのであれば「3030mm」で「10尺」なはずです。

ここで、柱を横架材に留めつけるためには「ほぞ」というものを加工します。この「ほぞ」の長さは、加工方法やプレカットマシンの設定よってある程度のバラツキがあり、「短ほぞ」という加工形態の場合、一般的に50mmから90mmと結構、差があります。弊社では70mmで計画されます。このホゾ長さによって、いわゆる「経済設計」を行う場合の構造的な高さの限界というものが決定されます。
今回、告示の改正に対しての検証ですので、ホゾ長さを50mmとした場合を例にとります。
画像に表したように、柱材の長さを3000mmとし、ホゾ長さを50mmとする場合、柱が露わになる寸法は、2900mmとなります。この点を踏まえて、実際の「H0」がどの程度になるか?を想定してみました。

土台あるいは2階の梁の上に柱が立つとして、その柱の上に上階等を支える梁が載ります。柱の露わになる部分の長さは、ほぞの長さを50mmと仮定すると2900mmということになります。梁は各所でその大きさがバラバラになりますが、2階の床レベルが一定になるような造りをする場合は、構面力などを鑑みても150mm程度の梁の大きさが最小となります。稀に120mmや105mmで繋ぐ箇所もあるかもしれませんが、正直、耐力壁として構成するための横架材としては、150mmは必要ではないか?と思います。
この仮定を元にして考えますと、H0の寸法は、3050mmにしかなりませんので、告示の規制の「3.2m」よりも小さいことになります。仮に「3.2m」を超すためには、柱の露わになる部分が、3050mmは必要になりますので、ホゾ長さを鑑みると3150の柱長さが必要になります。こうなりますと、一般流通材として採用すべき材の長さは「4000mm」という判断になります。
このとき、3150mmで切断する必要があるわけですが、4000mmの柱を買って、850mmも材料を無駄にするような設計を行うというのは、予算度外視な設計なわけですwww 普通に考えれば避けるでしょう。
そして、このような背の高い柱が必要になるというのは、計画上、相当高い天井高さを必要とする場合です。H0が3.2mを超す場合には、一部分の梁が360とか390などの大きな梁成の部分があったとしても、天井高さはゆうに2900mmもとれますので、まるで店舗などの天井高さに匹敵するような計画になります。
ただし、第一種換気による機械換気で空調ダクトが天井裏を走るために、天井懐が相当の空隙がなければいけないとなりますと、もしかしたら3.2mを超すような設計が必要になる可能性もなくはないとは思いますが、それでも、ダクトルートをしっかり検討することにより、経済的なH0の取り方でかわせることの方が多いと思いますし、コストを抑える設計をするとなれば、そうした工夫は必須なはずです。
従って、住宅の場合に、この告示の改正による筋交いの倍率低減を考慮せざるを得ない事例は少ないか、ほとんどないのでは?と考えています。工場や店舗、あるいは事務所などの非住宅木造建築に対しての構造上の措置として重要な位置づけになるかと思われます。


